非接触ICカード用の次世代FeliCa ICチップを開発
~新たに高セキュリティー暗号方式AESを採用~
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201106/11-066/
ソニーは、新世代標準暗号化方式AES(Advanced Encryption Standard)を採用した非接触ICカード用の次世代FeliCa ICチップを開発しました。
新 ICチップは、カードとリーダー/ライター端末間の相互認証と暗号通信において、従来のDES(Data Encryption Standard)暗号方式に加え、AES暗号方式を備えることで、セキュリティーがさらに強化されています。また、先進のプロセスとIC設計技術の最適な組み合わせにより、従来品と比較して低価格化を実現しました。
本ICチップは、サンプル出荷開始を今冬に、量産出荷開始を2012年春に予定しています。
FeliCaに新チップが出るというSONYのニュースリリースです。
けど、着目したいのはAES搭載の新チップリリースと言うことじゃなくて、ニュースリリース中にあるこの記述。
なお、このICチップのOSについては、JR東日本グループからの協力を得て仕様を策定しました。
つまり、JR東日本は、今後もFeliCaを使い続けるよ…ということを言ったに等しいと思います。
携帯業界から見れば、ワールドワイドでは、既にNFCが着目されていれ、日本に強いFeliCaを使い続ける意味がイマイチないような気もします。
NFC普及はいつになる? 3キャリアのキーパーソンが語る展望
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110310_432358.html
ここでSoftBankの木下氏は、もう時代はNFCだから、今更FeliCaにこだわっているの?と言ったような発言をしていますが、少なくとも日本国内を見る限り、今後もFeliCaは無視できないと思うのです。
少なくとも、JR東日本が使い続ける限りは。
交通ICカードの相互利用は2013年春開始、モバイルSuicaも
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110520_447204.html
を見て、交通系のカードチェックすると、PiTaPaを除いてほぼ全てがSuicaベースでできあがっています。PiTaPaだけがポストペイドで別規格と言った感じです。
つまり、SuicaがFeliCaを使い続ける限りは、日本国内ではFeliCaが死ぬことはないわけです。
なぜ、鉄道系カードがNFC(MiFare)ではダメなのか?
恐らく、反応速度ではないかと思います。
FeliCaの得意技は高速処理です。
日本では大都市の駅を見てもわかりますが、大量の人間が足早に自動改札機を通過します。
鉄道会社は自動改札機を減らして、コストを落とそうとしますので、台数は最小限になるのが基本です。
万が一処理落ちでひっかかると、駅の改札で人が詰まり、混雑に拍車がかかってしまいます。
それを考えると、おいそれとはMiFareには移れない…というのがJR東日本の言い分なのではないでしょうか。
FeliCaが生き残るとなると、前述の“NFC普及はいつになる? 3キャリアのキーパーソンが語る展望”で
3社のうちドコモでは、2012年を目処にNFC対応機種をリリースする予定だが、まずはFeliCaチップが端末内に、TypeAおよびTypeB対応チップがSIMカードに内蔵され、最終的にはFeliCaとTypeA、TypeBの3つがSIMカードに入るという形を目指す。途中のFeliCaが端末内、TypeAとTypeBがSIMカード、という形を実現する際には、NFCチップがその2つを仲介するような位置付けになる。
となっていましたが、これが一番妥当なのかな…という気がします。
というのは、このやり方であれば、海外はTypeA(MiFare)、TypeBのみを搭載し、国内はFeliCaを追加するということができそうです。
海外のスマートフォンに日本モデルだけFeliCa追加ができればコスト的にも安くできそうで一番いいと思います。
ただ、高速処理を求めない決済系(レジでの支払とか)については、もっとTypeAが出てくるかもしれません。
MasterCardのPayPassとか。日本では千葉のイクスピアリくらいしか知りませんが…。
でも、ライバルは既にかなり展開しつくしたEdyとかです。ドコモやJCBがかなり力を入れたiD、QuicPayでもそこそこしか普及していないわけで、これからTypeAで普及するにはかなり力を入れないとダメですね(MiFare利用のtaspo機とは相互利用できそうですが)。